セミナー | 日本オーソモレキュラー医学会について
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何をするべきか
1、ストレス因子を取り除く。
2、代謝の経路をリセットする。
3、生化学や免疫学から見て正しい処置をする。
・親は子どものためになる事を理解し、納得の上治療の行動を取る。
・治療する機会に乗り遅れることはない。
・大抵は何かを始めれると結果はついてくる。
・決して遅すぎるということは無い。
DANの経験と理解、私見では今日の自閉症の子どもの大半の症状はバイオメディカル治療により統計学的に有意に改善させる事が可能。
メチレーション
メチル基の転移が起こると 分子の特性が変わる。 (化学物質としての性質の変化)
必要な基礎知識
・メチル化とは分子間でメチル基を転移すること。メチル化により分子の性質が変わる。メラトニン、クレアチン、コリンはメチル化された分子。それゆえ沈黙の遺伝子とも呼ばれている。
・持続した炎症によりメチル化、クレアチン産生の代わりにシステイン産生を促すように遺伝子がスイッチをいれる。−“遺伝子の表現形が変わることなく機能することによって生じる。”
・メチル化した脂肪酸はより柔軟になり、ドーパミンのD4受容体の周囲の細胞膜を構成する脂肪酸は柔軟であることが機能上必要とされる。
メチル化に関して、身体の選択
・メチル化からシステイン産生へ遺伝子からの合成が切り替わったとき、エネルギー運搬(クレアチン燐酸、ADP→ATP)は減少する。
遺伝子の機能としての酸化ストレス、炎症への対応。
・これにより受容体のメチル化は不十分になる。
特に1-2歳では大変症状が悪化しやすい。
(神経細胞のネットワークのシナプスが相互に結合することによって発達する時期)
・自閉症の子どもたちは複雑な感覚情報の入力にうまく対応できない (形、色、手触りや音、においなど)また、意味深長な話にも対応が困難。
特徴
治療の歴史は最も長く、経験は多い。DANは1967年にバーナード・リムランによって設立され、元々は治療を試みる親の集まりであったが、そこに医療関係者が参入した。当初、バーナード・リムランは治療方法についてカナダのオーソモレキュラー医師エーブラム・ホッファ(精神科医師)に改善方法を教わった。現在では多くの両親方、医師、研究者、化学者が知恵と治療のテクノロジーを結合させている。
キレーションなど負荷のある治療も積極的に導入される。
治療の内容と順序
検討される治療の順序、食生活と習慣の見直し
●消化器系機能の改善 ●基本的な栄養サプリメントの摂取 ●CF、GF、SC食をとる ●腸管を治療する
●免疫機能を改善する ●代謝機能を調節する ●解毒を行う。 ●ABAなど療育の導入
治療の導入方法
・治療は個人向けとして扱われるもの。また、原因は多角的要因である事。複数の原因からなる症候群。
・治療を進めるには次のステップは何かを決める。奇跡を引き起こすような魔法の弾丸を期待しない。また、一度に全てをしようと思わない。
・注意深く治療に取り組む。一度に一ステップの治療をするように心がける。
ますは、検査からはいる
検査
●ヒスタミン検査によるメチル基の測定 ●血清 銅、血しょう 亜鉛のバランス検査 ●セルロプラズミンの検査
●パイロール検査 ●毛髪検査
特徴
メタロチオネンタンパクを補充し,解毒能力の向上により改善を行う。
通常のファイファープロトコルでは不十分で、結局はその他の治療プロトコルを導入する。
●CF、GF、SCなど食生活の見直し(生活から毒素の排除)
●メチレーション解毒、脳の神経伝達物質の代謝を含む、総合遺伝子検査
●腸管、バクテリアなど消化器系の治療、免疫改善
●栄養サプリメントプログラムSTEP1〜3(STEP1は解毒への準備、STEP2は解毒、STEP3は脳の機能修復を含む)
特徴
身体の負担になり得るキレート剤は使用せず、本来問題を起こしている身体の解毒機能を修復して、解毒を行う。
身体の負荷を極力避けた方法。
遺伝子に働きかけるRNAを使用する。
・30年にわたる逸話が豊富な証言から分かることに自閉症の子どもでは、消化管の機能が損なわれたり、食物不耐症になったりすることが多い。(Goodwin et al 1971)
・37人の自閉症でない子どもたちで、腹痛や下痢や便秘や鼓張などの消化器の病気を罹患している子ども達と、それに類似の症状を示している60人の自閉症と診断された子ども達(元発性12人を含む)を比較すると次の事柄が示される。
・自閉症の子ども達では、回腸にLNHが93%の割合で認められたにもかかわらず、対照群の自閉症でない子ども達では14%しか認められない。
・慢性のLNHが自閉症の子ども達では30%認められたが対照群では5.4%しか認められない。
36人の自閉症患者の胃腸の状態を内視鏡で検査したところ、次のような胃腸症状を示した。
・ 逆流性食道炎 69.4%
・ 慢性胃炎 41.6%
・ 慢性十二指腸炎 66.6%
Horvath et al
運動をする/快活にする
基本的な栄養物の補給をする
・新鮮な加熱処理の行なわれていない未精製で品質の落ちていない食品。
・変化にとんだ食事をとりローテーションにする。
(毎日異なった品目をとるように心がける)
・食物アレルギーを引き起こさない食品をとる。
(注意深い対応がとられることが必要とされる)
・たんばく質(4-5時間毎に)
必ずしも動物性たんぱく質である必要はない。
・特別食
・野菜ジュース
・発酵食品
・GFCF, SCD食事法
アレルギー源となる食品
・牛乳、大豆、小麦、卵、ピーナッツ、とうもろこしなど
オピオイドとなるもの
ポリサッカロイド類や単糖類
添加物、着色料、保存料
イースト菌を増殖させる食品
毒物や殺虫剤など
・免疫作用における消化管の役割
・自閉症と関連する腸の症状
・消化管のリハビリテーションにおける3つのR
・特別な臨床上の問題
(分解、吸収不良、便秘、下痢、炎症、善玉と悪玉のアンバランス、イースト、食物過敏症)
・誕生時人間の消化器系は無菌状態
・生命の最初の数日で微生物が定着開始
・最初は主としてビフィドバクテリウム (母乳から幼児に進入)
・離乳食から多種の微生物が消化管内に定住
・1000の異なった微生物が存在するようになる
・100兆のバクテリアが存在するようになる
免疫系と消化機能における宿主と微生物間の駆け引きは微妙なつりあいになる
害の無い食物由来の抗原
口腔内における免疫寛容の成立
通常細菌叢
感染症/炎症
進入した病原体
・抗原への暴露
・LGAに依存した粘膜バリア
・好ましくない刺激による症状の発生
・アレルギー症状と喘息
・自閉症
・炎症性粘膜障害
・体系だった炎症が起きるリスクの増大
Brandizaeg P.Current Understanding of Gastrointestinal
Immunoregulation and its Reilation to Food Allergy. Ann NY Acad Sci.2002,964.14-45
・命の最初の二年間に採取され栽培された腸内細菌叢を調べると免疫が発達する基本的な環境条件が分かる。
・特に穀物や砂糖などの固形食を早期に摂取すると腸内細菌叢の種類が変わる。
・出産前の危険因子として、必須脂肪酸の成分バランスが崩れた母体にありがちなのが炎症の起きる頻度の増大。
・母親の食材によってΩ3脂肪酸が減少しΩ6脂肪酸が増加して口腔内の免疫寛容に変性が生じる。